不妊症とは
不妊症とは、健康な男女が妊娠を希望し、夫婦生活を一定期間営んでいるにも関わらず妊娠しない状態であり、日本産婦人科学会ではこの「一定期間」を1年と定義しています。
一般的に妊娠しやすい女性の年齢は、20代と言われており、その後30代、40代と妊孕力(妊娠する力)が低下していき、45歳を過ぎると妊娠の可能性はほとんどなくなると言われています。
近年、晩婚化が進む中で不妊に悩むカップルは約10組に1組と言われ、体外受精などの生殖補助医療を受けるカップルが、年々増加しており、今後も増加していくと考えられます。
不妊の原因は、男性側、女性側、両方にある場合があります。
男女比は半々といわれており、女性側では、加齢、排卵がない、子宮筋腫、子宮筋腫、クラミジアなどの原因の場合、また原因不明の場合もあります。
女性側に
- 肥満、痩せすぎ、
- 生理の異常(間隔や量、痛みなどに極端な異常がある)
- 性交中の痛み
- 中絶や流産の経験
- クラミジア、淋菌、骨盤腹膜炎、イレウス(腸閉塞)子宮筋腫、子宮内膜症などの既往歴
- 年齢が35歳以上
この様な状態が思い当たり半年経っても妊娠しないようであれば、1年を待たずに病院へ行き、検査や適切な対処法を受けることが推奨されています。
不妊症の原因
妊娠が成立するためには、卵子と精子が出会い、受精して着床するまで、多くの条件がそろう必要がありますが、その間に何かしらの障害があることで、妊娠しにくくなってしまいます。
その主な原因として、
■排卵因子
高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、早発卵巣不全などの他、精神的なストレス、極端なダイエットなどでも排卵障害が起こり、生理周期が25日~38日型で基礎体温が二相性出ない場合は、排卵されていない可能性があります。
■卵管因子
卵管は、精子が卵子に向かい、受精した卵(胚)が再び子宮に戻るための道ですが、クラミジア感染症による卵管炎、子宮内膜症や虫垂炎など骨盤内の手術、骨盤腹膜炎などにより卵管や周囲の癒着、閉塞が起こり、卵子を取り込むことができず妊娠できません。
■頸管因子
通常、排卵が近づくと頸管粘液(おろもの)が増え、子宮頸管を精子が通過しやすい状態になりますが、子宮の奇形や子宮頸部の炎症、手術などにより頸管粘液の量が減少することで、精子が子宮内に侵入しにくくなるため妊娠が成立しません。
■免疫因子
何らかの免疫異常で、抗精子抗体(精子を攻撃する抗体)を生成する女性の場合、
精子の運動性が失われるため、卵子に到達できない、または、到達できても結合できず妊娠しにくくなります。
■子宮因子
子宮内に、子宮筋腫、先天的な形態異常、過去の手術や炎症による癒着があると、
子宮内に到達した胚が着床(子宮にくっつく)することができないため妊娠しにくくなります。
■原因不明
不妊症の1/3は、検査をしても原因がわからない、原因不明不妊といわれています。
検査をしても原因となる疾患を突き止めれない場合もあれば、加齢などにより精子や卵子の質が悪い場合、ストレス、肥満、体力、体質などの影響もあると考えれれます。
これらのうち排卵因子、卵管因子に男性不妊因子を加えた3つは頻度が高く、不妊症の3大原因と言われています。
病院での対処法
検査で原因が特定できた場合には、それぞれの原因疾患に対応した処置が行われると同時に、タイミング法、人工授精、体外受精などが状態に応じて選ばれます。
原因が分からない場合は、タイミング法→排卵誘発法→人工授精→体外受精というようにステップアップさせていきます。
■タイミング法
卵胞の大きさや尿中のホルモンの測定により排卵日を推定し、排卵の2日前後(最も妊娠しやすいと言われている期間)に夫婦生活を持つようにする方法です。
■排卵誘発法
内服薬や注射によって排卵を促す方法です。
■人工授精
男性から採取(マスターベーションにより)した精液から質の良い精子を取り出し、最も妊娠しやすい期間に子宮内に注入する方法です。
■体外受精
排卵誘発法で卵子を育て採卵(卵巣から卵子を取り出す)し、体外で精子と受精させ数日後に子宮内に受精卵を戻す方法です。
■顕微授精
体外受精と同様に採卵した卵子の中に細い針で精子を注入して受精卵を作り、子宮内に戻す方法です。
採卵で卵子がいくつか得られた場合、子宮に戻す卵子以外を凍結し、妊娠しなかった場合や次の子どもを望む場合に、再度子宮内に戻す事ができます。
お電話ありがとうございます、
ふじかけ鍼灸院でございます。