顔面神経麻痺とは

顔面神経は第7脳神経とも呼ばれ、脳から顔面神経管と呼ばれる骨の中の狭いトンネルを通り、耳たぶの後ろ辺りの茎乳突孔という穴から頭蓋骨の外に出て、耳下腺(唾液を分泌する器官)で3本に分かれ顔面の筋肉を動かす表情筋の全てに分布しています。
顔面神経がこの経路のどこかで障害され麻痺することで、表情筋が動かなくなってしまう状態を顔面神経麻痺といいます。(ベル麻痺とも呼ばれる。)
顔面神経麻痺の約半数が突発性(突然発症する)とさており、脳腫瘍や脳卒中などによる中枢性の場合、顔面神経が障害を受ける末梢性の場合、外傷や手術の後遺症、生まれつきのものがあります。
このページでは末梢性の顔面神経麻痺について説明していきます。
主な症状は、ある日突然顔の片側が動かなくなり、目を閉じられない、笑う時に口角が上がらない、食べ物や飲み物が口から漏れる、涙や唾液の分泌低下、味がわからないなどの症状がでます。
顔面神経麻痺の原因は不明とされていますが、近年ヘルペスウイルの関与しているという考え方が一般的になっています。
通常、コルチステロイドや、抗ウイルス薬による治療が行われ約80%は完治が可能、約20%に麻痺が残るといわれています。
処置とは関係なく2~3カ月で緩解していくといわれていますが、発症後48時間以内にコルチステロイド服用することで改善が早やまり、かつ改善度も高まることや、時間の経過とともに改善しにくくなり6カ月を過ぎると表情筋が衰えてしまい麻痺が残ってしまうため、顔面神経麻痺は発症してからなるべく早く適切な処置を開始することが重要になります。
顔面神経麻痺の症状
顔面神経麻痺は障害を受ける神経によって場所や程度、症状がとこなります。
また、近くを通る顔面神経以外の神経が障害されることもあり、表情筋の麻痺いがにの症状が現れる事があります。
- 眼が閉じれない
- 眉毛が動かない
- 笑っても頬や口角が上がらない
- 口が閉じれない
- 顔が曲がる
- 食べ物や水が口からこぼれる
- 話づらい
- 味覚がおかしい
- 涙が出ない
- 唾液が出ない
- 音が響く
- 耳鳴り、難聴がある
などの症状が現れます。
危険な症状
脳卒中でも顔面神経麻痺が突然起こることがあるため
- ろれつが回らない
- 頭痛
- 意識障害
- 手足の麻痺、しびれ
などの症状を伴う場合は一刻を争いますので早急に病院へ行って下さい。
顔面神経麻痺の原因

末梢性の顔面麻痺は原因は不明とされていますが、近年ではウイルス感染が原因であるとされ、ヘルペスウイルスなどの感染により、顔面神経管という骨のトンネル部分で顔面神経が腫れることにより神経が圧迫され顔面神経麻痺がおこるとされています。
その他、コクサッキーウイルス、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎、風疹、単核球症などでも顔面神経麻痺がおこることがあります。
一般的な顔面神経麻痺の対処法
耳鼻咽喉科で、顔面神経のむくみを取るステロイドとウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤による対処法が行われるのが一般的です。(最近では抗ウイルス薬は効果がないとの示唆もある。)
これにより約80%の方は元の状態に戻り、約20%の方に後遺症が残ってしまう可能性がありますが、発症後48時間以内にコルチステロイド服用することで、速やかかつ改善度が良好になることがわかってきました。
また、表情筋の麻痺が長く続き動かさないと筋肉がどんどん委縮し、6カ月が過ぎる頃にはかなり委縮してしまい後遺症が残ります。
そのため、顔面神経麻痺を発症後できる限り早く適切な処置を開始することが重要になります。
後遺症が残ってしまった場合、表情筋の動きを回復させる手術やボツリヌス菌による対処法などが選択されます。
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