肉離れとは

肉離れ(にくばなれ)とは、筋肉に急激に強い負荷がかかることで、筋肉を構成している筋膜や筋繊維(細胞)の一部、または大部分が破れて断裂してしまった状態のことです。

 

医学的には「筋断裂(きんだんれつ)」や「筋挫傷(きんざしょう)」と呼ばれます。

スポーツ中によく起こる代表的な急性のケガの一つです。

肉離れの症状

  • 「プチッ」という何かが弾けたように痛みが走った
  • 激痛で歩いたり、日常動作ができない
  • 皮膚が紫色(青あざ)になって腫れてきた
  • 重度の場合、筋肉が完全に断裂して、触ると患部がベコッと凹んでいる

肉離れの原因

日常の仕事や運動などで、乳酸など疲労物質の蓄積、活性酸素が大量に発生し筋肉を傷つけます。

血行が滞った筋肉は「古くなって硬くなった輪ゴム」の様に硬い状態であり、この状態で急に伸ばされるとブチっと裂けやすくなります。

また、筋肉は脳からの命令で動きますが、神経が疲労していると、緩む、縮むの切り替えがうまくいかず、縮んだままの状態の時に無理に延ばされることで肉離れが発生します。

肉離れの対処法

1. 発症直後〜48時間(急性期):「RICE処置」

まずはこれ以上の組織破壊を防ぎ、内出血を抑えるためにRICE(ライス)処置を徹底します。※ただし、現在は「冷やしすぎない(氷は15〜20分程度にする)」ことも推奨されています。

  • R(Rest:安静): 無理に動かさず、体重がかからないようにします。

  • I(Ice:冷却): ビニール袋に氷と少量の水を入れたもの(または氷のう)を患部に当て、15〜20分冷やします。感覚がなくなったら一度外し、また痛むようなら冷やします。

  • C(Compression:圧迫): 弾性包帯やテーピングで患部を軽く圧迫しながら固定し、内出血や腫れを抑えます(強く締め付けすぎないよう注意)。

  • E(Elevation:挙上): 患部をクッションなどの上に乗せ、心臓よりも高い位置に保つことで腫れを防ぎます。

やってはいけないこと(急性期)

  • ストレッチ・マッサージ: 破れた筋肉の傷口をさらに広げてしまいます。

  • 温める: お風呂で湯船に浸かったり、アルコールを飲んだりすると血行が良くなりすぎて内出血がひどくなります。当日はシャワー程度にしてください。

2. 医療機関(整形外科)の受診

自己判断で「ただの打撲や筋肉痛」と思わずに、一度整形外科を受診してください。 エコー(超音波)やMRI検査を受けることで、筋肉が「一部だけ裂けている(軽度〜中等度)」のか、「完全に断裂している(重度)」のかが分かります。これによって復帰までの正確なスケジュールが立てられます。

3. 数日後〜(亜急性期・回復期):段階的なリハビリ

痛みが落ち着いてきたら(通常数日〜1週間後)、いつまでも安静にしすぎると筋肉が硬く縮んだまま固まってしまいます。ここからは「痛みのない範囲で」動かしていきます。

  • 温熱療法: 痛みのピークが過ぎたら、今度は患部を温めて血行を良くし、組織の修復を促します。

  • 軽いストレッチ: 患部に「痛みのない心地よい突っ張り」を感じる程度の手前の段階で、ゆっくり筋肉を伸ばしていきます。

  • 日常生活の復帰: 痛みの出ない歩き方や、軽いウォーキングから徐々に負荷を戻していきます。

 

4. 復帰直前〜:再発防止の体作り

肉離れの最も厄介な点は「再発率の高さ」です。完全に競技や元の生活に戻る前に、以下のケアを取り入れます。

  • 硬くなった筋肉の柔軟性を取り戻す: 傷跡の組織(瘢痕組織)は硬くなりやすいため、念入りなストレッチが必要です。

  • 全身のバランス調整や筋トレ: 肉離れの原因となった「疲労の蓄積」や「硬さ」を解消するため、患部だけでなく股関節やまわりの筋力を鍛え、負担を分散させます。

  • 栄養面のサポート: 筋肉の材料となるタンパク質(プロテインなど)や、細胞の修復・抗酸化を助けるビタミン、ミネラルを意識して摂取するのも効果的です。

自己判断での早期復帰は高確率でぶり返します。痛みが消えても「筋肉の繊維が元通りしなやかになったか」を基準に、慎重にペースを上げていきましょう。

ふじかけ鍼灸院