逆子とは
妊娠して数か月の間はまだ胎児が小さく、子宮の中で様々な姿勢になっていますが、出産が近づくにつれ、通常子宮口の方へ頭を下に向けた状態になります。
しかし、出産間近になっても足やお尻が下になった状態、または体が横向きになった状態を俗に逆子と言い、医学用語で骨盤位と言います。
妊娠の5~7か月までは約30%、8ヶ月で約15%、9ヶ月で約7%程度に逆子がみられ、出産時まで逆子である確率は3~5%と言われています。
■逆子の種類
逆子は胎児の姿勢によって4つに分類されます。
単臀位
お尻が下にあり両足が上を向いている状態。
逆子の70~80%にあたり、自然分娩でも安全性が高い。
複臀位
お尻が下にあり、体育座りのような状態。
両膝を曲げている全複臀位と、片足を曲げもう片方は伸ばした状態の不全複臀位がある。
お尻が足よりも確実に下になっていれば経膣分娩も可能、しかし、単臀位よりはリスクが上がる。
膝位
膝立ちをした様に足を曲げ、膝が子宮口を向いている状態で、逆子の20~30%にあたる。
両膝を曲げた全膝位と、片膝は曲げ片足を伸ばしている不全膝位がある。
足位
足を立ったように伸ばし足先が子宮口を向いている状態で、逆子の1%にあたる。
両脚を下へ伸ばした全足位と、片足は下へ伸ばしもう片方は上にあげている不全足位がある。
逆子の原因
逆子になる原因はわかっていませんが、以下の様な場合に逆子になりやすいと考えられています。
- 子宮内のスペースが狭く胎児が動けるスペースがない
- 子宮のスペースが広すぎて胎児の位置が一定に定まらない
- 小柄な体形で骨盤が狭い
- 子宮口付近に胎盤が位置する前置胎盤
- 子宮筋腫などで子宮の容積が狭まっている
- ハート型にくぼみのある双角子宮など、子宮の奇形
- 羊水多が多すぎる、羊水が少なすぎる
- ストレス、疲労
- 冷え
胎児側の要因
- 体が大きく成長しすぎて子宮内で動けない
- 体が小さすぎて位置が定まらない
- 水頭症など、胎児の頭が大きい
- 双子などで動くスペースがない
- 未熟児
- へその緒が短すぎる
- へその緒が長すぎて体の一部に絡まっている
病院での対処法
■外回転術
妊娠後期に出産が近くなっても逆子が治らない場合、胎児が回転しやすい時期、また逆子に戻ってしまわない時期を見計らい、産婦人科の医師によって外回転術が行われます。
超音波モニターで胎児の様子を観察しながら、2~3分ほどで慎重にお腹の上から手で押さえて胎児の体を骨盤の凹みから外し、反背中回りに回転させます。
保険が適用され成功率は6~7割程度とされています。
しかし、出血がある、子宮口が開いている、破水している、へその緒が胎児に絡み付いている場合は行うことができません。
外回転術は、胎盤剥離や破水、胎児への何らかの負担、へその緒の圧迫や巻絡を引き起こすなどのリスクがあり緊急の帝王切開が必要になる場合もあります。
また、外回転術をしてもまた逆子に戻ってしまうこともあります。
■帝王切開
逆子の場合、出産前に破水の危険性が高くなる、出産が困難になる、骨折や死産の危険性がある、へその緒が圧迫され低酸素症による脳性麻痺などの危険が生じるなどの危険性があるため、ほとんどの場合妊娠37~38週に日程を決め予定帝王切開による出産になります。
時間は約1時間ほどで、切開部分は約15㎝。
局部麻酔で行われるため、出産後すぐに赤ちゃんと対面することができます。
手術と聞くと不安になりますが、あなたと赤ちゃんの安全を第一に考えておこなう大事な手段になります。
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